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中日ドラゴンズ公式アカウントをフォローすると生活が捗る

最近Twitter中日ドラゴンズ公式アカウントをフォローしたのですが、これ野球に興味がない人間がフォローすると、生活が滑らかになりますね。

事の始まりは、スマホTwitterの公式アプリを使ってタイムラインを見ていた時に、画面上部にでかでかとおすすめユーザーという表示が出たことで、どうやらその表示は、おすすめユーザーのうちの誰かをフォローしないと消えないようなのです。

それが本当に邪魔で、度合いで言うと、セブンイレブンの会計待ちの客が立つ所で、ずっと調理パンを見てるおっさんくらい邪魔で、およそあなたの人生において、コーンスティックを選ぼうが、ミルクロックを選ぼうが、さして大きな影響はないですよと言いたくなるレベルだったのです。

それなので誰かをフォローしようと思ったのですが、おすすめユーザー一覧に表れたのは、三つ巴というロリコン大喜利ユーザー(大喜利けっこう強い)や、津山という逮捕後の小室哲哉をひたすら応援してるアカウントや、コウメ太夫などだったのです。この中から、一体どのようにして、フォローする対象を決めればいいのでしょうか。人が、仕事や生きていく上で必要な用事をこなす時以外に、言葉に触れる機会を持つとしたら、それが自分の成長につながるものであるべきではないでしょうか。深い思考や豊かな発想、専門的な知識など、それらを自分の中に取り込むことによって、少なくとも、「運動しようとバランスボールを買ったら、それはフンコロガシのフンだった」というコウメの言葉に触れるよりは、確かに向上できると思うのです。

そんな失意の中、おすすめユーザー一覧をスクロールしていて現れたのが、中日ドラゴンズ公式アカウントでした。まず、このアカウントを見た瞬間に僕が思ったのは、「自分は野球に興味がないから、これをフォローしてもつまらない」ということです。しかし、次に感じたのが、このアカウントの「無機質なつまらなさ」でした。先に挙げた三つのアカウントは、どれも人間の喜怒哀楽が表れています。その感情表現は、もちろん読者の感性にはまれば大きな喜びを生み出すのですが、それがヒットしなかった場合、マイナスの感情を作ってしまうのです。これが表現の恐ろしいところで、例えば親切心から発せられた言葉でも、それが相手に受け入れられなければ、0を飛び超えて損失になってしまうことがあります。

しかし、中日ドラゴンズ公式アカウントには、その感情の露出がないのです。ただ淡々と、今日の先発メンバーや、チケットの販売情報などが並んでいます。そして僕は野球に興味がありません。つまり、この「無」の情報の羅列が、もしかしたら、自分になにか心境の変化をもたらすのではないかと思い、他に面白そうなおすすめアカウントがなかったことも手伝って、フォローすることにしたのです。

まるで感情が動きませんでした。自分の好みの外にある情報を仕入れたところで、それが身体をすり抜けていくような、からっぽな虚脱感を覚えることしかできないのです。しかし僕は、中日ドラゴンズ公式アカウントをリムーブすることができませんでした。一度やってみて分かったのですが、おすすめユーザー一覧からフォローしたアカウントのフォローを外すと、再びスマホTwitter画面に、おすすめユーザー一覧が表示されるのです。

もうハイジだよね。ブランコ乗りすぎのハイジ。ハイジのオープニングで、ハイジが草原の上でブランコに乗って、鳥たちと一緒に空中を1往復半するんですけど、それを4往復見せられた気分。いや適度に主張するのはいいけど、それが度を越えたら受け手のストレスになるわけで、そんな何度もおすすめユーザーを表示されても、Twitterの発展どころか、むしろユーザーが離れていくよね。ズイヨー映像がブランコの往復を1.5で止めたように、Twitterもブランコの動きを調節しろよ。ハイジの。

でまあ仕方なく、しばらくドラゴンズの助っ人外国人ナニータの情報とかを見てたんですけど、ふとした瞬間に、ドラゴンズのアカウントのツイートが、さほどストレスになっていないことに気がついたのです。選手のプライベートエピソードや、富山アルペンスタジアムから凱旋した話が、自分の中で大きな負担になっていませんでした。

慣れとは偉大なもので、人間がどんなに苦しいと思うことでも、ある程度はそれに対して耐性が作られます。思えば人類は、この地球という常に安定しているとは言えない惑星で、1千万年近く生存してきました。その父祖たちから受け継いだ適応力が、確かに僕にも存在していたのです。

そして、この無機質な物事を受け入れるという力は、私たちの生活に不可欠です。日常の様々な雑務をこなすには、ある程度の忍耐力が必要です。特に家事は、特別に裕福で家政婦などを雇っていない限り、絶対に避けられない面倒事です。僕は実家暮らしで、主に皿洗いとゴミ出しをやっているのですが、それらの作業の苦しみが、明らかに軽減したのです。

ドラゴンズの情報は本当にどうでもいいのです。ドラゴンズのチケット販売サイト「ドラチケ」にはたぶん一生アクセスしないし、セプティモという小回りが利く軽自動車みたいな名前の投手も見たことがありません。しかし、その「自分に享楽をもたらさない情報」のインプットが、ストレス全般に対する耐性を高め、日常の雑多な作業の辛さを小さくしてくれました。

「努力よりほかにわれわれの未来をよくするものはない」とは、ある小説家の言葉ですが、そんな私たちの成長する力を、今回改めて実感しました。

もちろん気力体力のつけ方は人それぞれであり、僕が体験したのはほんの一例に過ぎないのですが、もしあなたが日ごろ雑務に追い立てられていて、そして野球に興味がないのであれば、中日ドラゴンズ公式アカウントをフォローしてみてはいかがでしょうか。きっとあなたにも、確かな成長をもたらしてくれるでしょう。