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ミルクとタマ

今までに2匹猫を飼ったことがある。今日はその子たちの紹介をしたいのだけど、記事の性質上、ただの女子大生みたいな文章になる可能性がある。なるべく頑張りたい。

1匹目の子は、ミルクという名前のアメリカンショートヘアだった。ミルクは猫が欲しくてしょうがなかった僕が、「猫を買ってくれないと部屋(2階)から飛び降りる!」と言って両親が渋々折れた覚えがある。ミルクは僕が学校に行ってる間に、サプライズでうちに来た。母にお礼を言うと、「もう1匹アメショーがいたんだけどその子は顔がきつかったの」と消去法で決定した旨を伝えられた。

ミルクはロースハムが大好きで、何の疑問も持たずに好きなだけ与えていたら、猫の健診で緊急警告みたいな数値を叩き出し、獣医さんに「基本的に人間の食べ物はあげちゃダメだよ」と怒られた。完全に飼い主の責任なんだけど、そんなことはペットショップでも教えてくれなかったので、なんか納得いかなくて「すいあっせん」みたいな開き直り謝罪した。結局大事に至らなくてよかったのだけど。

ミルクはとても人懐こかった。初対面の人にも自分から近づいていき、喉を鳴らしていた。中学の家庭訪問で、チマチョゴリをもう少しフォーマルにした感じの服装で来た担任の膝の上に乗り、帰りに庭で長めの毛払いをさせていた。よくペットは飼い主に似ると言うけど、僕の人見知りがミルクに伝染しなくてよかった。配管工事の人が来るたびに、リビングから一番遠い部屋に逃げる猫にならなかったのだから。

2匹目が黒猫のタマ。ミルクと共生していた。タマは元々祖母の家で飼っていて、祖母が先に亡くなったので、うちで引き取った。タマはとても警戒心が強かった。最初に連れてきた僕の部屋の物陰に隠れ、2週間くらいはほとんど出てこなかった。何とかして仲良くなろうと、声をかけたり毛づくろいを試みたけど無理で、なんとなく入院患者に無視されるピエロの気持ちになった。

部屋の電気を消すと、全身真っ黒のタマはほとんど姿が見えなくなり、闇に2つの黄色い瞳だけが浮かび、洋館の化け物みたいになってた。暗闇でタマが目を閉じてると、全く居場所が分からない。当初せっかく懐き始めたところで、誤ってタマを踏んでしまい、再び警戒され、また少しずつ懐くタイブレークのような一進一退の攻防が続いた。途中警戒がマッチポイントになってやばかった。

タマは祖母以外に懐かないことを知っていたので、当初はミルクと会わせるのを避けていた。わざわざ新しく扉を作り、ダウンタウン爆笑問題が遭遇しないようにするスタッフのように、常に気を張っていた。結局ミルクを含めた家族に心を許すのに3ヶ月くらいかかり、初対面でミルクはいきなり肛門を嗅いでいた。

2匹の立場は、なぜか後から来たタマが優位に立ち、よくミルクのエサを横取りしていた。ミルクはとても温厚なのだけど、あまりにもエサを取られるので、一回両前足でタマの背中をつかみ、そのまま地獄車を決める野生のリアルを見せていた。

一度野良猫が庭先にやってきて、入れてほしそうな感じでうちの中を覗き込んでいたのだけど、尻尾を振って好意的なミルクに対して、タマは親の仇みたいな態度で威嚇していた。いや、君も途中加入だろ。今はもういないのだけど、とにかくかわいい子たちだった。

最近また猫を飼いたい気持ちが強くなってきたのだけど、自分自身が日なたで寝てる側なのでしばらくは無理そうだ。「世界ネコ歩き」という中年カメラマンが世界中の猫を撮る番組を見て我慢しているのだが、猫をあやす声が完全におっさんなのでやはり自分でも飼いたい。今から飼ったら自分もおっさんになるけど。