過敏フレンズ

僕の神経質な性格に引き寄せられるかのように、過去に異常なまでにこだわりの強い大人に何度も遭遇している。

小学3、4年生の時の担任は、橋田寿賀子作品に出てくる粘り気のある中年女性が脚本なしで生きてる感じだったので、度々細かいことを注意してきて大変だった。当時9歳の生徒たちが常に担任に気を遣い、いつ彼女の機嫌を損ねるかと怯えながら過ごしていた。細かい叱責エピソードを挙げればキリがないが、特に忘れられないのがハードル事件だ。

体育でハードルの授業があり、一通り自由に跳んだ後、教科書に載ってる上級編の跳び方をすることになった。ハードルをまたぐ時の踏み切り足を左右交互にして跳んでいくというもので、文字にすると簡単そうだが、実際にやってみるとなるとなかなか難しかった。前に並んでいたクラスメイトたちが続々と失敗し、この時点でブラネ女王みたいな表情になっていた担任に僕がとどめを刺してしまった。僕の直前の生徒が案の定踏み切り足を間違え、僕がさりげなく「あ、逆」と言うと、「じゃああなたは絶対にできるのね!!」と激高された。今考えてもそんなに怒る意味が分からないが、多分自分たちの不甲斐なさを省みずに、能天気に間違いを指摘したことが彼女の逆鱗に触れてしまったのだろう。突然のことでパニックになった僕は無論跳び方を間違えてしまい、その後ゴール地点まで聞こえる声で「できないなら余計なこと言うんじゃないの!!!」と怒鳴られ、障害物だけでよくこんなに理不尽に振舞えるなと思いながらトラウマになった。

近所の県立公園には、古代植物園という縄文時代から平安時代に親しまれた色々な植物を見られる施設がある。とても静かで落ち着く場所なのでよく利用しているのだけど、ここでも事件が起きた。あるとき平安時代に好まれていたヤマブキという花の前でぼーっとしていたら、一人の女性に「きれいね。平安の時には歌にもされていたのかしら」と話しかけられた。適当に「そうかもしれないですね」と言うと、「ヤマブキの他にはどの花が歌にされていたのかしら」と歌に強いこだわりを見せ始めたので、「説明の所に平安って書いてあるのは大体詠まれてたんじゃないですか」と返すと、「そうね、ありがとう。奈良時代には歌は詠まれていたのかしら」と詰められたので怖くなって立ち去った。

他にも切符の買い方で10分近く揉めたり、無理やりおにぎりを渡そうとしてくる人に出会ったことがある。

確かに類は友を呼ぶとは言うけれど、こんなに両手でポメラニアンを持ちながら宝石店に入ってきそうな人たちに絡まれるのはおかしいと思っていた。

趣味のサッカーは、仲のいい友達とやることもあればフットサルコートに行って知らない人たちに混ぜてもらうこともある。後者の場合はチーム編成が目まぐるしく変わるので、色つきのビブスで個々人の所属チームを明確にしている。そのビブスを使い終わったら色ごとにまとめて重ねるのだけど、こないだこのビブスの重ね方が雑な人たちがいたので、「仕方ないな」と4色全てのビブスを寸分違わず揃えてる時点でハッとし、過去の過敏仲間たちの顔を思い出した。

もちろん人に迷惑をかけることはしてないつもりだけど、首元とメガネがチェーンで繋がってる系の人はほぼ同類だと思っている。