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ペラペラファミレス座談会

大喜利サイトで出た、「意味は全然違うけどなんとなくエロそうな言葉を教えてください」というお題に対する、「イグアイン」という回答が忘れられない。俺はサッカーが好きだからイグアインを知ってたけど、もしイグアインを初見だったら、ビニ本のセンター特集に登場しても何も疑わないだろう。僕は毎週日曜のファミレスでこういう話をしている。

中学時代に柳瀬という男と知り合った。彼とはクラスも部活も違ったけど、体育祭の話し合いでクラスの代表が集まった時に、すぐに意気投合した。他の生徒たちは体育祭の出し物について真剣に話し合っているのだけど、僕と柳瀬は組体操のピラミッドの2段目にガリガリの数学教師を入れればいいんじゃないかとか、リレーでバトンを落とした時に火曜サスペンスの「テ テーン!」という効果音を流せばいいとか、そんな話ばかりしていた。

お互いに部活やら受験やらで忙しくてあまり話せなかったけど、顔を合わせれば大抵くだらないことで盛り上がっていた。

高校に進んで以降、柳瀬とは全く連絡を取っていなかったのだけど、数年前に柳瀬から突然電話が来た。「今何してんの?」という柳瀬の言葉に対して、「働かないで野良猫を追いかけたりしてる」と言ったら、「そんな気はしてた」と言われた。

それから柳瀬とよくファミレスに行くようになり、今は毎週の日課になっている。僕は空気を読もうと思えば読めるけど、敢えてそれを飛び越えて余計なことを言いたくなる性格なので(それを空気を読めないと言うのかもしれないが)、こういう自分の話を100%受け止めてくれる相手が他にいない。なので、この時間はけっこう貴重なものだと思っている。こないだは、清掃員のおばちゃんが小さく見えるのは錯覚で、僕たちの中に彼女たちを見下す心があるから、そう認識している。僕たちはそんな自分たちの傲慢さに気づくべきだという話をした。柳瀬は「猫背だからだろ」と言っていた。

柳瀬は僕のブログを読んでいて、時々意見を聞くことがある。先日は「お前のブログはホリケンを霊視してた頃がピーク」と言われ反論しようと思ったのだけど、「ホリケンを霊視してた頃」というフレーズが気に入ってしまい、反射的に「ホリケンを霊視してた頃は確かに頑張ってた」と素直に認めてしまった。柳瀬に抗議できなかったのは初めてだ。

柳瀬は僕と違って人脈が広いので、たまに柳瀬が友人を呼ぶ時がある。そういう時は前日の15時までに教えておいてくれと言うのだけど(心の準備がいるから)、大抵は突然知らない人が来たりする。柳瀬なりに僕の話を聞いてくれそうな人を選んでくれてると思うのだけど、ほとんどは苦笑いでたまに7人に1人くらいめちゃくちゃ爆笑して帰っていく。というか普通の話をすればいいんだけど、それは自分にとって何も得るものがない気がして、どうにもならない。例えば初対面の人にゼノギアスの話をするのは、まず相手がゼノギアスを知らなければゼノギアスの説明をしなきゃいけないし、相手の反応を見つつ、必要があれば話題を変えるという操舵が必要になってくる。中盤でする、「デュアアア!」というバルトのモノマネの完成度も確かめたい。でもこの前の人はここでトイレに立った。やっぱり空気を読めないだけな気がしてきた。

会うファミレスは大抵ガストで、僕が余程つまらない話をしない限りは、柳瀬がおごってくれる。一応ごちそうになる身としては、それなりに頑張らないといけないと思っているのだけど、最近ウエットティッシュを携帯する女は細やかな感覚を持っているが、俺とくっついた場合、お互いに神経質すぎて共倒れになる。これはもう間違いなく共倒れだという微妙な話をしたら、デザートだけ僕が払うことになった。改めて振り返っても本当に意義がない。

この付き合いがいつまで続くか分からないけど、向こうが拒否しない限りは続けていきたい。ちなみにこの会は、柳瀬のデートの関係で早朝7時から行われる。どんな気持ちで彼女に会ってんだ。